秦野市本町一の「ますだ模型」の店主増田守男さん(79)が刺殺された事件。多量の血痕が飛び散った現場には模型商品が散乱し、凄惨(せいさん)な様相を見せた。半世紀余を模型店一筋に生き、訪れる子どもや愛好家らから、“おやじ”のように親しまれた店主の悲報に関係者から悲しみと怒りの声が漏れた。
県警によると、店内は八畳ほどの大きさ。山積みされた模型の商品棚に囲まれた通路は人一人がようやく通れるほどだった。増田さんは胸や背中、首など少なくとも十カ所以上を刺されたり切られたりしていた。司法解剖の結果、死因は失血死だった。
県警が現場検証したところ、レジ裏の商品棚にも血痕が付着していたことが判明。店中央の棚から模型商品の一部が落ちて散乱していたことから、県警は、増田さんがレジ付近で襲われ、入り口へ逃げようとした際、さらに襲われた可能性があるとみている。
常連客によると、増田さんは普段、店の左奥のレジに座ってパソコンをいじっていた。入り口の自動扉にポスターなどが張られ、外から店内が見えないため、この常連客が「不用心じゃないか」と話すと、増田さんは「長年やっているから」と気にとめていない様子だったという。
同店はよほどの用事がない限り年中無休。鉄道模型月刊誌の付録に「創業五十年余の老舗。在庫が豊富です」などと店の紹介を載せていたほか、ホームページを見て訪れる人もいた。
昨年一月、小田急の新型車両模型が出たときには常連客に「二百セットを仕入れた」と話していたといい、常連客を含めかなりの客が出入りしていたとみられる。
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