2009年4月11日土曜日

対北制裁延長 全面禁輸見送りは残念だ

政府が北朝鮮籍船の入港禁止などの経済制裁延長を閣議決定するとともに、送金規制強化などの追加制裁を発表した。

河村建夫官房長官は今回の決定について「きわめて誠意がないことへの追加措置」と説明した。北朝鮮は国際社会の制止を振り切って長距離弾道ミサイルを発射しただけでなく、拉致被害者の再調査にも応じていない。制裁の延長、強化の決定は当然である。

制裁の厳格な執行を通じて「不法な行為は許さない」という日本の姿勢を鮮明にし、北朝鮮の変化を促すものとすべきだ。

北朝鮮に対しては、平成18年10月の核実験に伴い、入港禁止や輸入全面禁止などの現行の制裁措置がとられ、半年ごとに延長してきた。5回目の延長にあたり、期間を1年間に延ばし、全般的な制裁強化の形をとった。

さらに、個別の制裁措置でも北朝鮮への送金報告義務額や北朝鮮への渡航者が現金を持ち出す場合の届け出額を引き下げる。

昨年8月の日朝実務者協議で北朝鮮が約束した拉致被害者の再調査に、何ら進展がないことも考えれば、制裁強化は不可欠だ。

経済制裁の効果を疑問視する意見もあるが、日本の独自制裁や米国の金融制裁などは確実に効果を上げているとの見方が有力だ。とくに金融制裁が効果的なことは、マカオの金融機関バンコ・デルタ・アジア(BDA)の凍結資金の返還に、北朝鮮が強くこだわったことからもわかる。

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